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2022/09/30/

遅刻・早退は給与を支払う必要がない?遅刻・早退の取り扱い、処理方法について紹介!

従業員が遅刻または早退した際に給与を支払わなくてもよいか迷っていませんか?
結論から言うと、遅刻・早退して働いていない部分については、給与を支払う必要はありません。
ただし、遅刻・早退分の給与を支払わない場合にはいくつかの注意点があります。
遅刻・早退は、給与の控除だけではなく、懲戒処分や人事考課に利用されることもありますが、今回はそれらの処理のポイントや注意点をお伝えしていこうと思います。

遅刻・早退の場合、そもそも給与を支払わなくて良い?

一般的に、賃金の支払いの考え方は、ノーワーク・ノーペイの原則に基づいています。
ノーワーク・ノーペイの原則は、賃金を「働いたら支払う」「働かなかったら支払わない」というものです。これに基づくと、遅刻・早退部分は働いていないわけですから、給与を支払う義務はありません。
ただし、遅刻・早退したからといって必ず給与控除を行う必要があるわけではないので、給与控除をしていない会社もあります。

また「遅刻・早退部分は給与を支払わない」という給与の控除とは別に、遅刻・早退回数が多い従業員に減給といった懲戒処分をすることも法律上は可能です。

さらに、給与控除や減給とは少し異なりますが、昇給やボーナスの査定の人事考課に遅刻・早退回数を利用するケースなどもあります。

以下では順に、遅刻・早退の際の給与の控除、減給などの懲戒処分、人事考課への利用についてそれぞれポイントを紹介していきたいと思います。

遅刻・早退した場合の給与控除

遅刻・早退した際の給与の処理方法は、時給制月給制で異なります。

時給制の場合

時給制は、働いた時間分給与を支給するので、勤務開始~勤務終了の時間数を計算し、その分の時給を支給します。遅刻・早退時間は給与には関係ありません。

月給制の場合

月給制は基本給から遅刻・早退部分の時間数を控除して、給与を支給します。
ただし、冒頭で述べたように遅刻・早退したからといって控除する義務はないため、そのまま基本給を支払うという企業もあります。
遅刻・早退の対象者がそもそも少なく管理コストのほうが大きくなることを考慮し、控除は行わず、遅刻・早退があった場合は人事考課に利用する程度といった企業も少なくありません。

下記で遅刻・早退時間を計算する際に決めておくと良いポイントを紹介します。

・遅刻・早退の計算ポイント

遅刻・早退の計算のポイントは遅刻・早退時間の単位、遅刻して残業をした場合にどう計算するかの2点です。

    • 遅刻・早退時間の単位
      単位を決める際のポイントは、働いている部分を控除しないことです。
      1分単位で勤務時間を計算するなら良いですが、15分単位、30分単位で遅刻・早退時間を切り上げる場合、働いている時間を遅刻・早退時間としていないか注意が必要です。
      遅刻時間を15分単位などとしている運用では、遅刻した場合は、出社後すぐに仕事を始めるのではなく、15分などの規定などに基づいたタイミングで仕事を開始してもらうようにしましょう。

 

  • 遅刻して残業をした場合
    例えば、9時始業、18時終業で、遅刻のため9:30に出社し18:30まで勤務した場合、残業時間はどのようになるか決めておくとよいでしょう。一つの方法としては、遅刻・早退かどうかに関わらず勤務時間が8時間など一定の時間数を超えた部分を残業とする方法です。
    例えば、法定通りに残業を8時間超とする場合、上記の例だと、勤務自体は8時間なので、残業時間は発生しません。ただ、遅刻時間の30分を控除に利用する場合には、18:00-18:30までの30分を割増なしの時間数として支給しないといけない点に注意しましょう。

    もう一つの方法は、残業は決まった時間帯とする方法です。
    例えば、残業を18:00以降の勤務時間とすると、上記の例では、遅刻時間は30分、残業時間は30分となり、30分の残業手当を支給するという考え方になります。8時間未満の勤務が割増対象となるため、不思議に思う人もいるかもしれませんが、管理の簡素化のためにこうした運用をしている企業もあります。

    残業の考え方によって、同じ時間働いても給与計算が異なる点に注意が必要です。

遅刻・早退した場合の懲戒処分

遅刻・早退の処理方法の一つとして、給与の控除とは別に減給といった懲戒処分も法律上は可能です。
減給処分とは、遅刻・早退した分を控除するというものではなく、懲戒処分として賃金を減らすというものです。遅刻・早退に対して、控除と減給の両方を行うことも可能です。

「減給」は「控除」とは似て非なるもの

控除については前のセクションで説明しましたが、控除と減給の違いは以下です。

  • 控除:勤務がなかった時間部分を給与から差し引くこと
  • 減給:懲戒処分の1種。勤務の有無にかかわらず賃金を減らすこと

減給を行う場合、いくらでも減給してしまって良いというものではありません。
労働基準法第九十一条で「減給の限度額(※)」が定められているため、その法律に則って減給額を決める必要があります。

※労働基準法第九十一条には、「減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」という規定があります。

以上、遅刻・早退をした際の減給処分について説明しましたが、遅刻・早退しただけで減給といったような就業規定は、勤怠管理システムを提供させていただいている当社が知る限りでは、実はあまり多くはありません。

遅刻・早退した場合の人事考課への利用

前述の通り、遅刻・早退は給与の減額だけでなく、昇給やボーナスの査定を行う際の人事考課へ利用しているケースもあります。
具体的には、遅刻・早退の回数や時間数をカウントし利用するのですが、遅刻・早退が給与に関係ない時給制でも遅刻・早退の回数はカウントし、人事考課に利用しているケースなどがあります。

最後に

遅刻・早退の処理には、給与の控除や懲戒処分、人事考課への利用など様々なものがあります。
説明した通り、それぞれに注意点やポイントがあり、手動での計算は結構大変なものです。
手動計算での間違いを気にされる場合や業務効率化をしたい場合は、勤怠管理システムの利用がおすすめです。
当社のタブレット タイムレコーダーでは、遅刻・早退の時間数や回数の自動集計が可能です。遅刻・早退時間の単位や残業と遅刻・早退時間の関係なども、企業に合わせた形で設定ができるので、遅刻・早退の処理方法にお困りの方はぜひご検討ください。
詳しくは、【集計ルール設定】遅刻早退を集計するをご参照ください。
(最終更新 2024/4/18)

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