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2021/06/23/

「有休」と「有給」の違いは?微妙に異なる有給休暇の用語を解説

有給休暇の略称は?と聞かれると、みなさんは「有休」と「有給」のどちらが思い浮かぶでしょうか。どちらも読み方は「ゆうきゅう」ですが、いざこのように聞かれるとどっちが正しいか迷ってしまう人も多いと思います。

今回の記事では、有給休暇の呼称について、「有休」と「有給」を軸に「年休」などの略称も合わせて簡単に紹介していきます。

有給休暇とは?

有給休暇とは、法律で定められた、給料が支払われる休暇日のことを指します。正式名称は「年次有給休暇」で、「年休」などとも略されます。
ちなみに、法律で定められたものもあれば、実は各企業独自のものもあります。そう言った場合の呼称の区別についても後ほど紹介します。

「有休」と「有給」、どちらが正しい?

早速答えになりますが、年次有給休暇の略称として「有休」や「有給」は一般的に使用されており、どちらかが間違っているというわけではありません。
言葉の定義としては、それぞれ以下のようになります。

  • 有休=有給休暇の略
  • 有給=給料があること/有給休暇の略

このように、「有給」には有給休暇としての意味だけではなく、「有給の研修」などといったように「給料があること」の意味も含まれています。上記の理由からお休みを意味する言葉としては、「有休」の方がより正確です。

ただ、はじめに述べたように、「有休」も「有給」も間違いではありませんので、使用するにあたっては企業の慣例に従うと良いでしょう。

言葉の定義以外の視点では、他の休暇の略称との統一感があります。例えば、「育児休暇」=「育休」などと略すことが多いので、「有休」の方が統一感はとれているという考え方もあるでしょう。

なお、当社の勤怠管理アプリ「タブレット タイムレコーダー」では、上記の理由から「有休」という略称を使用しています。

「年休」とは

「有給休暇とは?」で触れた通り、「年休」という言葉も年次有給休暇を指す単語として使われます。

年次有給休暇の略称として、「有休」「有給」「年休」はいずれも間違いではありません。

実際、厚生労働省のWebサイトや資料でも、「有休」「有給」「年休」といった複数の略称が使用されています。

「私の会社では有給休暇を取得すると賞与の査定にあたってマイナスに評価されてしまいます。会社は有休を取得しなかっただけ多く働いたのだから当然と言っていますが、これは法律上問題ないのでしょうか。」

「年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか。」

「年休取得日数の計算方法」

他に、「年休」と同じ意味の表現として、

  • 「年次休暇」
  • 「年次有休」

といった言葉も使われることがあります。

「有休」「有給」「年休」の使い分けは?

年次有給休暇の略称として、「有給」「有休」「年休」など、いくつもの表現があることがわかりました。
では、こうした表現は通常どのように使い分けられるのでしょうか。

一般に「有休」「有給」といえば、労働法で定められる年次有給休暇を指すことが多いですが、企業独自の有給休暇も指す場合があります。先ほど紹介したように「有休」の言葉としての定義はあくまで有給休暇だからです。

このような企業が独自に定める有給休暇(例えば、「特別休暇」「慶弔休暇」など)がある場合、法定の年次有給休暇を「年休」や「年次休暇」と呼ぶことでそれぞれを明確に区別することができます。

ただ「年休」という言葉が耳なじみしないという人も中には多いかもしれません。会社独自の休暇と混同しないように注意は必要ですが、呼称についてはやはり各企業の慣例に合わせて「有休」や「年休」とする方がよさそうです。

ここまで出てきた略称をまとめると、以下のようになります。

単語 意味
有休 有給休暇
(年次有給休暇+企業が独自に定めた有給休暇)
有給 (1) 有給休暇
(2) 給料があること
年休 年次有給休暇

参考:労働基準法における年次有給休暇

年次有給休暇は働く人々の心身のリフレッシュを図ることを目的とした休暇で、労働基準法第三十九条によって以下のように定められています。

労働基準法

第三十九条 
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

 
上の要件を満たせば、正社員だけでなくパートやアルバイトの人を含めたどの労働者にも年次有給休暇を取得する権利が発生します。
 
上記の他に以下のような内容も定められています。

  • 有給休暇の付与日数と付与タイミングのルール
  • 時間単位の有給休暇の条件
  • 計画的付与(いわゆる「計画有休」「計画年休」)、時季の指定
  • 有効期間(取得の期限)
  • 支払うべき金額の計算方法
  • etc……

年次有給休暇について知っておくべき基礎知識については、下記の記事にまとめられています。
年次有給休暇とは|入社から付与、退職まで法律を具体的に解説

特に、2019年4月の働き方改革関連の法改正で、年次有給休暇には5日取得義務(付与日数が10日以上の場合、付与した日から1年以内に5日を消化することが義務となる)が定められました。
これをきちんと管理するためにも、法定の年次有給休暇とそれ以外の有給休暇を混同しないように呼称を定めて管理を行う方が、勤怠管理上は望ましいです。

年次有給休暇の取得義務化については、その他の働き方改革関連の法改正の紹介と合わせて、解説記事もありますので合わせてご覧いただければと思います。

いまさら聞けない!?働き方改革に伴う労働法改正内容の詳細解説

(最終更新日:2024/02/07 一部記事改訂)

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