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2021/02/11/

打刻まるめとは? メリット・デメリット、設定方法を解説!

1.はじめに

企業は従業員一人一人の勤務時間を正しく管理・把握する必要があります。そして、そのためには、正確な勤務開始・終了時刻を記録していくことが重要になります。ただ、勤怠管理を行う中で、正確な把握が必要な始業打刻、終業打刻をキリの良い時刻に切り上げたり、切り捨てたりすることは少なくありません。

では、このようないわゆる「打刻まるめ」 と呼ばれる処理はなぜあるのでしょうか。

この記事では、打刻まるめの考え方、メリット・デメリットを紹介していきます。加えて、記事の最後には、まるめルールの設定方法も紹介していますので、自社に合うまるめルールをお探しの方は、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。

2.打刻まるめとは

まず、打刻まるめとは、打刻時刻を決められた単位で切り上げ、切り捨てすることです。

例えば、始業打刻を8:43にした場合、15分まるめでは8:45、30分まるめでは9:00。終業打刻を18:19にした場合、15分まるめでは18:15、30分まるめでは18:00と一般的にはまるめられます。

また、所定始業時刻より早いIN打刻を始業時刻とするのも打刻まるめの一種です。例えば、9:00が所定始業時刻の場合、8:11のIN打刻を9:00にまるめます。こういったルールは企業によって様々なものです。

3.まるめは何のためにあるの?

このような打刻のまるめは何のためにあるのでしょうか。

それは、勤務時間の集計を実際の勤務に合わせつつ、なるべくシンプルに計算するためです。

実態として、タイムカードの打刻と実際の勤務開始・終了時刻は必ずしも一致するとは限りません。

例えば、実際の勤務開始の30分前に会社に来てすぐに打刻し、コーヒーを飲んでからゆっくりと勤務を開始する人もいるかもしれません。反対に、5分前に来て、ぴたっと仕事を始める人もいるかもしれません。タイムカードによる出社時刻は異なりますが、二人とも勤務開始時刻は同じです。このような場合、まるめがなければ給与に差が出てしまうことになります。

一方で、打刻をまるめた結果として実際に働いた時間が削られてしまうのも、望ましいことではありません。

大事なことは、企業ごとの実際の働き方に合わせたまるめ単位を設定することです。その上で、従業員がまるめ単位を把握し、勤務の開始・終了時刻の前後に打刻を行うことが重要になります。もしも、勤務実態を正しく把握せずに、まるめ単位を設定している場合、まるめ単位の見直しや打刻の運用の見直しが必要になるかもしれません。

4.打刻まるめのメリット・デメリット

打刻まるめを行うメリットとデメリットを次に紹介します。

メリット

・給与計算の効率UP
例えば、まるめ単位を15分で設定している場合、出勤が8:52、退勤が18:22であれば、出勤が9:00、退勤が18:15とまるめられるため、計算が簡単になります。従業員が多くなればなるほど、給与計算の効率化ができると言えるでしょう。

デメリット

・勤務実態以上にまるめてしまうことで正しく給与が払われない可能性がある
例えば、終業打刻のまるめ単位を30分で設定していると、18:22の打刻は18:00にまるめられます。この設定の場合、勤務終了から打刻までの間が15分以内に収まるような職場においては、22分も削られるのは実態に合わないことになります。企業側としては、実際に働いていた時間を削りたいと思っていなくても、従業員側からするとそのように見えてしまいかねません。このように、まるめ単位を勤務実態に合わせて設定していないと、正しく給与を支払えないケースが出てきてしまいます。
・働き方が多様になっている中で、まるめの設定・管理が難しくなってきている
近年の働き方改革も影響し、始業・終業時刻が一律の定時制のような従来の働き方に加え、フレックスタイム制などの 新しい働き方が増えてきています。このように働き方が増えていく中で、まるめのルールが形骸化しないためにも、それぞれの働き方に沿った打刻まるめを設定する必要があり、管理が複雑になってきています。

※厚生労働省発表の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」

働き方改革が推進されている中で、労働時間を適切に管理する必要が大きくなってきています。例えば、厚生労働省から「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」 が2018年に出されています。ここには、労働時間を適正に把握するために使用者がすべきことが書かれており、その中には、始業・終業時刻の正しい管理も含まれています。具体的な管理方法については、下の「5.打刻まるめのルールを決める」で紹介していますので、気になる方はぜひ続きを読んでいただければと思います。

「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」全体の詳細については以下のブログ記事で解説しています。
労働時間の適正な把握方法とは?「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」の解説

5.打刻まるめのルールを決める

打刻まるめは、あくまで、実際の勤務時間を正しく把握することが原則であり目的です。それを踏まえたうえで、打刻まるめのルールを設定する際には、不本意な法令違反とならないように注意する必要があります。

始業打刻のまるめの例

  • 所定の始業時刻にまるめる
  • 5分、15分、30分などの分単位でまるめる

所定時刻まるめは、始業時刻前の勤務はめったにない、あるいは、予め申請・ 指示されたときのみ発生するといった企業に採用されているケースが多いです。
所定時刻にまるめる場合も分単位でまるめる場合も、以下の2点に注意する必要があります。

  1. 所定始業時刻より早い打刻の管理
  2. 所定始業時刻より早い打刻を一律9:00にまるめるといったような管理を行っている場合、早出勤務の未払いが発生するリスクがあります。例えば、所定始業時刻が9:00の場合、8:30 より前から来ている社員の打刻は必ず早出勤務でないかチェックするといった運用を行うとよいでしょう。

  3. 遅刻の管理
  4. 遅刻時間を切り上げてしまうと、勤務していた部分に対して控除が発生してしまいます。例えば、9:00始業で9:10に来た場合、30分単位のまるめを行っていると、9:30に始業打刻がまるめられてしまいます。遅刻の場合には通常の出勤と異なり、出社後は直ちに勤務を始めることが多いため、9:10から9:30の間の20分の勤務をカットしてしまいかねません。このように、遅刻の場合はまるめないようなルールにすると適切に勤務実態と合わせることができるでしょう。

終業打刻のまるめの例

  • 所定の終業時刻にまるめる
  • 5分、15分、30分などの分単位でまるめる

前提として、打刻まるめは打刻の種類ごとにルールを設けているケースが多いです。例えば、始業、終業だけでなく、休憩打刻、中抜け打刻のそれぞれに打刻まるめのルールを設定することが可能です。この中でもとくに終業打刻については、残業代の未払いの問題に直結する可能性があるため、打刻まるめは行わず1分単位での管理を行っているケースが増えてきています。

まるめルールの例

上記で紹介した内容をもとに、まるめの例を簡単に紹介していきます。
今回紹介するのは、以下の3種類のルールです。

①所定始業時刻を9:00とし、それ以前の始業打刻を所定始業時刻にまるめる
②始業打刻は15分単位でまるめるが、終業打刻はまるめない
③出勤・退勤は15分単位でまるめるが、休憩の時の打刻はまるめない

①所定始業時刻を9:00とし、それ以前の始業打刻を所定始業時刻にまるめる

所定の勤務時間帯が決まっている就業規則を想定したまるめルールの例になります。先ほども紹介したように、 所定時刻まるめは、始業時刻前の勤務はめったにない、あるいは、予め申請・ 指示されたときのみ発生するといった企業に採用されているケースが多いです。

②始業打刻は15分単位でまるめるが、終業打刻はまるめない

こちらは所定の勤務が時間帯ではなく、時間数で決まるような就業規則を想定したまるめルールの例になります。フレックス社員、パート・アルバイトの方のような社員ごとに勤務開始・終了が異なる働き方に沿ったルールです。

③出勤・退勤は15分単位でまるめるが、休憩の時の打刻はまるめない

こちらは休憩を休憩打刻で運用されているケースを想定したまるめルールの例になります。打刻ベースで休憩を計算するため、正確に休憩時間を計算できます。始業打刻、終業打刻はまるめるルールの場合、休憩打刻は別にルールを設けるということになります。

打刻以外の始業時刻・終業時刻の管理方法

実は、タイムカードでの打刻以外にも、始業時刻・終業時刻の管理は可能です。
それは自己申告制による管理です。自己申告制とは、始業・終業時刻を自己申告によって記録する方法で、厚生労働省発表の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」にも記載されています 。

もちろん、自己申告をいいことに働いた部分を申告させない、ということはNGです。自己申告制による運用の説明を従業員・管理者に対して十分に行い、勤務実態の正しい把握、適正な報告が行われているかの確認が厳しく必要になります。実態と乖離していれば、改善を常にしていくことが求められます。

ガイドラインに記載されている詳細な管理方法は以下になります。

自己申告制の対象となる労働者に対して、本ガイドラインを踏まえ、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。
実際に労働時間を管理する者に対して、自己申告制の適正な運用を含め、本ガイドラインに従い講ずべき措置について十分な説明を行うこと。
自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。
特に、入退場記録やパソコンの使用時間の記録など、事業場内にいた時間の分かるデータを有している場合に、労働者からの自己申告により把握した労働時間と当該データで分かった事業場内にいた時間との間に著しい乖離が生じているときには、実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。
自己申告した労働時間を超えて事業場内にいる時間について、その理由等を労働者に報告させる場合には、当該報告が適正に行われているかについて確認すること。
その際、休憩や自主的な研修、教育訓練、学習等であるため労働時間ではないと報告されていても、実際には、使用者の指示により業務に従事しているなど使用者の指揮命令下に置かれていたと認められる時間については、労働時間として扱わなければならないこと。
自己申告制は、労働者による適正な申告を前提として成り立つものである。このため、使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設け、上限を超える申告を認めない等、労働者による労働時間の適正な申告を阻害する措置を講じてはならないこと。
また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること。
さらに、労働基準法の定める法定労働時間や時間外労働に関する労使協定(いわゆる36協定)により延長することができる時間数を遵守することは当然であるが、実際には延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、実際に労働時間を管理する者や労働者等において、慣習的に行われていないかについても確認すること。

6.タブレット タイムレコーダーで打刻まるめを設定する方法

いかがでしたでしょうか。打刻まるめは実際の働き方に合わせて設定し、それを正しく運用することが重要になってきます。

タブレット タイムレコーダーには、打刻まるめの設定を様々な働き方に沿って設定し、正確な労働時間を把握するための機能が用意されています。以下のページでは、上で紹介したような打刻まるめの設定方法を紹介していますので、ご参考になれば幸いです。

【集計ルール設定:打刻まるめ】打刻時刻の切り上げ/切り捨て