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2023/05/19/

欠勤は給与控除して良い?勤怠管理における欠勤の取り扱いについて解説

みなさんの職場では、どのようなケースを欠勤扱いにしているでしょうか。また、欠勤を給与にどのように反映させているでしょうか。

広い意味での「休み」には、「欠勤」以外に「休日」「休暇」「休業」「休職」などもあります。これらの違いは言葉からは分かりづらく、曖昧になっている方も多いと思います。

この記事では、勤怠管理における欠勤の取扱いを解説します。その中で、混同してしまいがちな、「休日」「休暇」「休業」「休職」と「欠勤」の違い、欠勤時の給与控除についても解説します。

欠勤は他の休みとどう異なる?給与控除して良い?

欠勤とは?

欠勤とは、「会社との労働契約で働くことを義務付けられている日に、体調不良や私用などの自己都合で休むこと」です。

ただし、欠勤には、法律上で明文化された定義はありません。「働く義務が免除されていない日」「自己都合」の休みというのがポイントです。

「休日」「休暇」「休業」「休職」との違いは?

欠勤については上の節で説明しましたが、欠勤と紛らわしい「休日」「休暇」「休業」「休職」とはどのような休みなのか、「欠勤」との違いはどこにあるのかについても解説します。

●休日

休日とは、労働契約上、もともと働く義務が無い日のことです。あらかじめ会社が定める休みのため、給料も無給になります。労働基準法で、毎週1日以上または4週間を通じて4日以上の休日が必要であると定められています。

●休暇

休暇とは、労働契約上、もともと働く義務のある日に、勤務者が休暇の権利を行使して義務が免除された日のことです。休暇の例としては、年次有給休暇(有休)、子の看護休暇、介護休暇、慶弔休暇などがあります。

なお、休暇は事前申請が原則ですが、急な体調不良などやむを得ず欠勤となる場合、会社と勤務者の双方の同意があれば、事後的に有休へ振り替えることが可能です。

●休業

休業とは、労働契約上は休暇と同じく、もともと働く義務がある日に、勤務者が休業の権利を行使して義務が免除された日のことです。法律上、休暇と休業に明確な違いはありません。

会社都合の休業の場合、労働基準法により、休業させた勤務日数に対して、平均賃金の6割の休業手当を会社が支給する必要があります。例としては、業績不振、原材料の高騰などによる操業停止があります。

また、勤務者側が申請可能な休業として、産前・産後休業、育児休業が法律で定められています。産前・産後休業、育児休業に対しては、会社が賃金を支払う義務はありません。一方で、雇用保険による給付金の対象となる場合があり、休業可能な期限も法律で定められています。このため勤怠管理においては、休業する期間を管理する必要があります。

●休職

休職とは、会社ごとの規則で定められた休職制度を利用して、もともと働く義務がある日に、義務が免除された日のことです。休職は法律上、定められてはいませんが、一般的には、傷病休職、自己都合休職、留学休職、公職就任休職などがあります。

休職は、基本的に賃金を支払う必要はありません。一方で、理由によっては、雇用保険による休職手当の対象になる場合もあります。勤怠管理においては、休職の実績を管理する必要があります。

 
まとめると、休日は、もともと働く義務が無い休みであり、休暇・休業・休職は、もともと働く義務があるが義務が免除された休みです。一方で、欠勤は、もともと働く義務がある日に、義務が免除されることなく休んでいるという点が、休日、休暇、休業、休職とは異なります。

欠勤は控除して良い?

欠勤した日数については、給与控除の対象として良いです。これは、給与計算の基本原則であるノーワーク・ノーペイの原則に則ったもので、仕事をしていない日については、会社は賃金を支払う必要が無いためです。

欠勤を管理するポイントは?管理した欠勤は何に利用する?

欠勤を管理する上では、実績と理由を管理することがポイントです。

上の章で述べた通り、欠勤の実績は給与控除の算出に利用できます。

また、会社としては欠勤の場合は、給与を支払う必要はありませんが、欠勤の理由によっては、保険による手当対象となる場合があります。
欠勤の実績と合わせて理由も管理することで、勤務者が手当を申請しやすい環境づくりを行うことができます。手当の例としては、傷病手当や労災補償手当があります。

●傷病手当
傷病手当は、病気やケガで働けない場合に、健康保険から支給される手当です。
支給には「業務外の事由による病気やケガの療養のため」「仕事に就くことができない」「連続する3日を含む4日以上、療養のために仕事に就けない場合」「賃金の支払いを受けていない」の条件があり、欠勤の日数や理由によっては手当の対象になります。

●労災補償手当
労災補償手当は、仕事中や通勤中に起きた病気やケガが原因で働けない場合に、労災保険から支給される手当です。
支給には、「業務上の事由または通勤による病気やケガによる療養のため」「仕事に就くことができない」「賃金の支払いを受けていない」の条件があり、こちらも欠勤の日数や理由によっては手当の対象になります。

さらに、年次有給休暇の付与を、出勤率や出勤日数に基づいて行う場合、欠勤の実績は年次有給休暇の付与条件の判定にも利用できます。年次有休休暇の付与条件が、「所定労働日の8割以上出勤する」の場合、欠勤は基本的には出勤日数に含めません。これは、欠勤は勤務の義務が免除されることなく休んでいるためです。
ただし、欠勤の理由が業務上の傷病による場合は、出勤日数に含める必要があります。

その他に、給与控除や手当とは少し異なりますが、欠勤の実績や理由は人事考課に利用することも可能です。

まとめ

欠勤とは、働く義務がある日に自己都合で休むことであり、ノーワーク・ノーペイの原則に基づき、給与控除の対象として良いです。
欠勤を管理する上では、実績と理由を管理することがポイントです。
管理した実績と理由は、給与計算だけでなく、保険による手当申請、年次有給休暇の付与条件の判定、人事考課などに利用できます。

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詳しくは、以下の記事をご参照ください。
【集計ルール設定】欠勤を利用する

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