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2024/04/18/

タイムカードの打刻ルールで押さえておきたいポイント集

はじめに

タイムカードによる勤怠管理には、

  • いつ、打刻する?
  • 出張のとき、どのように打刻する?
  • 誤って打刻をしてしまったら?

など、色々な場面を想定したルールを決めておく必要があります。
もし打刻ルールが決まっていなければ、正確な勤務時間が把握できず健康管理や給与の支払いに影響が出たり、その後のトラブルに繋がったりします。

この記事では、タイムカードの打刻に関するルール(打刻ルール)に焦点をあて、考えておきたいポイントやルールの例をご紹介します。
タイムカードを利用する人はもちろん、タイムカード以外の勤怠管理でも基本の考え方は共通なので、参考になれば幸いです。

タイムカードの打刻ルールの重要性

打刻ルールは、「従業員の労働時間を正確かつ客観的に把握するため」に重要です。
不適切な打刻ルールでは、日々の労働を正確に把握できず、従業員の健康管理や給与の支払いを正しく行うことができません。

労働時間を適切に把握することは、2017年の通達「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」においても、使用者の「責務」であると記載されています。
(詳しくは、労働時間の適正な把握方法とは?「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」の解説をご覧ください。)

打刻ルールのポイント

打刻ルールで押さえておきたいポイントは、大きく3つに分けられます。

  1. 打刻タイミング
  2. 考えておきたい働き方
  3. トラブルへの対応

これらは、実際の働き方や制度・環境などに応じて、検討が必要な内容が変わってきます。
例えば、リモートワークを導入している場合は、自宅で勤務するため打刻ができないケースを考慮したルールが必要です。
この記事でご紹介している働き方と自社の働き方と照らし合わせながら、ご検討いただければ幸いです。

1. 打刻タイミング

どのタイミングで出勤・退勤打刻を行うかを明確に設定しましょう。
勤務の実態を正しく記録するという点では、実際に仕事を始める、または終えるタイミングなどで打刻してもらえると良いです。

例:実際に仕事を始める、または終えるタイミングで打刻する

打刻まるめ

勤務の集計時に打刻まるめを採用する場合は、ルールに明記しておきましょう。
打刻まるめとは、打刻時刻を決められた単位で切り上げ、または切り捨てすることです。
例えば、15分まるめを採用する場合、0/15/30/45分の区切りより前に打刻することが重要です。

例:IN打刻は15分単位で切り上げを行う。OUT打刻はまるめを行わず、1分単位で計算する。

なお、打刻まるめを採用する場合には、勤務実態に合ったまるめ単位を設定することが必要です。
労働時間を正しく把握するという目的のため、適切なまるめ単位となっているか注意しましょう。
(詳しくは、よくわかる打刻まるめ解説 まるめとは何か〜ルールの決め方までをご覧ください。)

休憩、中抜け

休憩や中抜けの際に、打刻を行うかも明確に決めておきましょう。

休憩打刻は、勤怠管理する上で必須ではありません。
しかし、休憩時に打刻することで、従業員が休憩を適切に取得できているかを確認できます。
休憩の取得を促す機会にもなりますので、必要に応じて設定しましょう。

例:休憩、中抜けのタイミングで打刻を行う

制服への着替え

制服の着用が必要な業務の場合、仕事前、後の着替え時間をどう記録するか決めておきましょう。
業務上の必要がある着替え時間は原則、労働時間に含まれます。
着替え時間をどのように記録すると勤務実態に合うか、集計ルールの設定とあわせて検討することが必要です。
(労働時間の考え方については、労働時間の適正な把握方法とは?「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」の解説をご覧ください。)

例:出勤時は着替え前、退勤時は着替え後に打刻し、着替え時間を勤務時間に含める

例:出勤時は着替え後、退勤時は着替え前に打刻し、着替え時間を打刻に含めない
  勤務時間を集計する際に、事前に決めた標準的な着替え時間(10分など)を加算する

2. 考えておきたい働き方

早出・残業(シフト外の勤務)

早出・残業のとき、いつ打刻を行うかを明確に決めておきましょう。
勤務を正しく記録するという観点では、いつも通り、実際に仕事を始める・終えるタイミングなどで打刻してもらうと良いでしょう。

また、退勤後は緊急の仕事のため、業務を再開することが考えられます。
このとき、どのように打刻をするかも明確にしておきましょう。

例:早出・残業・終業後の勤務再開の場合も、実際の勤務にあわせて打刻する

打刻ルールからは外れますが、従業員に勤務を正しく記録してもらうため、上長が従業員の打刻実績を確認するなど、運用ルールも考えておけると良いでしょう。

遅刻・早退

遅刻・早退のときにも、いつ打刻を行うか決めておきましょう。

また、シフトや勤務予定の時間ぴったりに打刻したとき、遅刻や早退とするかどうかも考慮しておくべき重要なポイントです。
タイムレコーダーの設置場所や打刻タイミングにあわせて、ルールを決めましょう。

そして、遅刻に関しては、天候や電車の遅れなど、正当な理由による遅刻のケースも考えられます。
勤務の集計方法や、遅延証明書の提出方法など、集計・運用ルールも含めて検討しましょう。

例:遅刻・早退の場合も、実際の勤務に合わせて打刻する
  シフト開始時刻と同時刻の打刻は遅刻としない
  公共交通機関の遅れによる遅刻の場合、管理者に証明書を提出の上、遅刻とはしない

応援

他の拠点への応援勤務が発生する場合、応援先での勤務をどのように記録するか考えておきましょう。
あらかじめ明確になっていると、従業員も安心です。

例:勤務開始・終了時に担当者へ連絡し、代理で打刻してもらう

出張、直行、直帰

出張や直行・直帰の際は、実際の出退勤時に打刻ができないため、どのように記録するか、ルール化しておくことが重要です。

例:勤務開始・終了時に、担当者に代理で打刻してもらう
  勤務開始・終了時に、メールで連絡して記録を残す など

(出張・直行・直帰の勤怠管理方法については、直行・直帰・出張時の勤怠管理方法 ―打刻修正や代理打刻で勤務時間を適切に記録する運用ルール―で詳しくご紹介しています。)

徹夜、日跨ぎ

お使いのタイムレコーダーが日またぎの打刻に対応しているか確認の上、必要に応じて、徹夜、日またぎの時の打刻ルールを決めておきましょう。

例:タイムレコーダーが日またぎに対応していないので、メールで勤務終了時刻を報告する

テレワーク、リモートワーク、在宅勤務

最近増加しているこれらの働き方についても、勤務の記録ルールを決めておきましょう。
出張、直行、直帰と同様に、本人が打刻することができません。

例:勤務開始・終了時に、担当者に代理で打刻をしてもらう
  勤務開始・終了時に、メールで連絡して記録を残す など

3. トラブルへの対応

誤打刻、打刻漏れ、打刻ができない

下記のようなケースに対して、どのように対処するかを決めておきましょう。

  • 本来とは異なるタイミングで誤って打刻をしてしまった
  • 停電など諸事情で打刻できなかった
  • タイムレコーダーが壊れていて使用できなかった
  • 他人のタイムカードで打刻した

例:本来打刻するはずだった時刻を管理者に申請し、訂正してもらう

打刻ルール以外にも、誤打刻を防ぐ工夫など、運用での対策も重要です。
(タイムカードの打刻漏れを防ぐアイデアについては、タイムカード押し忘れ・打刻忘れゼロへ!実用・前向きアイデア集をご覧ください。)

タイムカードを紛失した

まずは運用ルールの中で、紛失しないためのルールを検討しておきたい話題です。
例えば、タイムカードの持ち出しを禁止することなどが考えられます。

その上で、仮にタイムカードを紛失してしまった際、どういった形式で勤務実績を記録するか決めておきましょう。正しい勤務実績を何らかの形式で残しておくことが重要です。

また、紛失以前の勤務記録をどのように取り扱うかも、運用ルールと絡めて、注意しておきたいポイントです。例えば、客観的な記録に基づいて、記録を復元することなどが考えられます。

例:タイムカードを紛失した場合には、勤務を開始・終了するタイミングでチャットで発信する
  紛失前の勤務記録は、業務日報をもとに復元する

不正打刻、打刻の改ざん

打刻ルールだけでは対応が難しく、運用ルールと絡めて、対策方法を検討しておきましょう。不正打刻、打刻の改ざんは法律違反にもなりえる問題で、事前の対策で防ぐことが重要です。
例えば、打刻ルールを勤務者に周知したり、打刻時に本人確認ができる仕組みを導入することが挙げられます。

例:打刻時に勤務者に顔写真を撮影してもらう

(ほかにも様々な対策を不正打刻・タイムカードの改ざんとは?問題点と防止策を分かりやすく解説で紹介しています。)

打刻以外のルール

タイムカードでの勤怠管理には、打刻ルール以外にも、集計や運用のルールなど検討すべき内容が複数あります。
例:集計、勤務記録の保管方法、勤怠締めへの対応、タイムレコーダーの設置場所、混雑対策

集計・混雑緩和については、他記事で詳しくご紹介しています。
集計:【目次】集計ルール設定の解説記事一覧
混雑緩和:出退勤時の混雑緩和対策

アプリ化がおすすめ

この記事では、打刻ルールで押さえておきたいポイントについて紹介しました。
打刻ルールはタイムカードでの勤怠管理はもちろん、それ以外の方法での勤怠管理にも共通する話題です。

勤怠管理アプリ「タブレット タイムレコーダー」では、打刻の自動集計やリアルタイムな勤務状況の確認など、打刻ルール以外の部分で多くのメリットがあります。
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(タイムカードとタブレット タイムレコーダーの比較は紙のタイムカードより25個もメリットが!タブレット タイムレコーダーと比較をご覧ください。)

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(記事最終更新:2024/4/23)

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