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2023/01/24/

タイムカードのすべて~基本情報から初めての運用まで~

はじめに

皆さんはタイムカードについて、どれくらい知っていますか?近年は勤怠管理のシステム化も進んでおり、「タイムカードの存在は知っているけれど、使ったことはない。」という方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、勤怠管理を手軽に始められるという点で、タイムカードは現在でも広く重宝されています。

この記事では「タイムカードのすべて」と題して、タイムカードに馴染みはないけれど気になることがある方、タイムカードについて詳しく知りたい方、タイムカードの利用を実際に検討されている方など向けに、タイムカードの基本情報から実際にタイムカードを使った勤怠管理の始め方までを解説します。

タイムカードの基本情報

タイムカードとは

タイムカードは出退勤時刻などを書き込む紙です。冒頭の画像に縦長の紙が2枚写っていますが、それらがタイムカードです。タイムカードをタイムレコーダーに挿入することで時刻を記録します。記録に基づく時間数の計算にも用いられます。
 
タイムカードの用途によって記録する時刻も異なります。勤怠管理の用途では出退勤時刻や休憩の入り・戻り時刻の記録などで、入退出の記録の用途では学童保育のような施設に出入りした時刻の記録などで利用されます。

タイムカードに記された時刻は、客観的な記録としても利用できます。特に勤怠管理においては、2017年に出された「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」という通達内でも「使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法」の例としてタイムカードが挙げられています。

詳しく労働時間の適正な把握方法とは?「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」の解説をご覧ください。)

歴史

タイムレコーダーの起源は19世紀後半のアメリカで、紙テープに時間を刻む方式でした。後にウィラード・L・バンディ氏が開発したタイムレコーダーなどでタイムカードが用いられるようになりました。

日本では、1931年に現在のアマノ株式会社の創設者である天野修一氏によってタイムレコーダーが開発されました。(詳しくはタイムレコーダーの歴史 ー誕生からiPadアプリまで、変遷と進化の過程ーをご覧ください。)

種類

一般的なタイムカードのサイズはおよそ縦185mm、横85mm、厚さ0.4mmです。100枚単位で売られていることが多く、1000円前後で購入することができます。記録できる打刻の数に応じて、4欄印字、6欄印字、8欄印字などの種類があります。

また、タイムカードに記録を残すにはタイムレコーダーの存在が不可欠です。

●日本国内の主要なタイムレコーダーのメーカー

  • アマノ
  • マックス
  • ニッポー
  • セイコー

タイムレコーダーには単に時刻を記録するだけでなく、集計機能やWi-Fi接続で打刻データをcsvファイルで出力する機能を持つものもあります。

(詳しくは【タイムレコーダーの選び方】勤怠管理システムも含めて徹底比較【2022年版】をご覧ください。)

タイムカードを使った勤怠管理の始め方・運用例

ここからは主に、勤怠管理を始めようと考えている方に向けて、タイムカードを使った勤怠管理の始め方・運用例を紹介していきます。主に管理者に向けた内容ですが、タイムカードを日々使用している勤務者の方もこの機会にタイムカードを用いた勤怠管理の全体像を把握してみてはいかがでしょうか。

事前準備

タイムカードを使った勤怠管理をするために必要なものやあると良いものを紹介します。

●必要なもの

  • タイムカード
  • タイムレコーダー

●無くてもよいが、あると便利なもの

  • カードラック
  • タイムカード名前書きソフト

まずタイムカードやタイムレコーダーは必須です。加えて、カードラックがあると使用中のタイムカードを整頓するのに便利です。

また、タイムカードは月ごとに交換が必要です。交換する度にタイムカードに氏名を書く必要があるため、管理対象の従業員が多い場合はタイムカード名前書きソフトを活用するのも一つの手でしょう。

事前に検討すべき事項

  1. 設置・保管場所
    タイムレコーダーの置き場所は、打刻忘れ防止を考慮して店舗やオフィスの入り口など、関係者の目につきやすく関係者以外の目に触れない場所にすると良いでしょう。

    また、タイムカードを勤怠の記録として使用する場合5年間(移行措置として当分の間は3年間)保管しなければいけません。タイムカード一枚一枚は小さくても、全従業員(退職後も含む)の過去5年分のタイムカードとなるとかさばってしまうので、保管場所もあわせて検討しておくと良いでしょう。

  2. いつ打刻するか
    日々タイムカードを利用する上で、「いつ」打刻するかが重要です。(出勤打刻は職場に到着してすぐか仕事を開始するタイミングか、休憩入り・戻り時にも打刻をするか、など)

    また、タイムカードは一か月単位で新しいものに変える必要があるので、月末に「誰が」「どのように」新しいタイムカードを準備するかもあわせて考えておきましょう。

    勤務をしていると、直行・直帰のように打刻ができない場合、打刻忘れ、イレギュラーな勤務などが発生することもあります。全てのイレギュラーなケースにどのように対応するかを事前に検討しておくことは難しいですが、想定しうるイレギュラーな勤務について「その場合にどうするか」を事前に検討し、関係者に周知しておくと実際にそうしたケースが発生したときにスムーズに対応できます。

    イレギュラーな勤務とその対応策の一案は「タイムカードでの勤怠管理、こんなときはどうする?」というセクションで詳しくお伝えします。

  3. コスト
    タイムカードを用いた勤怠管理には当然コストがかかります。

    ●かかるコスト例

    • タイムレコーダーやタイムカードの費用
    • 時間数集計
    • 打刻ミスの修正
    • 月ごとのタイムカードの更新

    管理対象の人数が増えるとこうした作業コストも大きくなるので、タイムカードを用いた勤怠管理を始める前に各種コストを大まかに試算しておくと良いでしょう。

日々の打刻

各種検討を終えて準備ができたら実際の打刻の運用を開始します。勤務者による打刻漏れや打刻ミスなど打刻の修正が必要な場合は、本来打刻する想定だった時刻を手書きで記入することが一般的です。勤務者本人が捺印する、記入前に管理者の了承を得るなど、対応方法を事前に検討しておきましょう。

イレギュラーな勤務も打刻漏れ等と同様にルールを事前に検討しておけると良いですが、実際に運用を開始すると想定していなかった新たな課題が生じることがあります。事前の想定に無い勤務が発生した際にはその都度対応方針を検討していくと良いでしょう。

月次締め

月度末になったら、それまで使用していた古いタイムカードを回収し、新しいタイムカードを配布します。必要に応じてタイムカードで記録した時刻をもとに勤務時間など給与支払いに必要な時間数を算出します。

管理対象が数人であれば手作業で集計で行うこともできますが、人数が増えるほど作業は大変になります。規模に応じて、集計機能付きのタイムレコーダーを活用したり、Excelなど表計算ソフトを使うことも考えると良いでしょう。

(Excelの活用方法については【タイムカード集計をエクセルで】Excelでの勤怠管理の方法と注意点で詳しく解説しています。)

タイムカードでの勤怠管理、こんなときはどうする?

検討事項の一つとしても挙げたように、通常の勤務とは異なるイレギュラーな勤務や個別に対応を検討しなければいけない事情が発生する場合があります。

ここではどういったケースが考えられるかを例示し、対応方法もあわせて紹介します。  (ここで紹介する対応方法は一例です。)

様々な勤務パターン

出張、直行、直帰

出張や直行・直帰の場合は、出退勤時にタイムカードに打刻することができません。そのため、何時に勤務を開始・終了したかをどうやって記録するかを決めておく必要があります。管理者があとから記録する、電話やチャット等で連絡を受けた人が代理で打刻する、などが考えられます。

あるいは、みなし勤務として取り扱うとして実際に勤務を開始・終了した時刻ではなく勤務開始・終了したと想定される時刻を記録しておく、という方法もあります。

(詳しくは直行・直帰・出張時の勤怠管理方法 ―打刻修正や代理打刻で勤務時間を適切に記録する運用ルール―をご覧ください。)

応援勤務(普段と異なる場所での勤務、ヘルプ)も、同様に考えるとよいでしょう。

遅刻、早退

遅刻や早退の場合は事前の取り決めがないと、タイムカードをいつ打刻すればいいか、あるいは打刻をすべきかを勤務者が判断に迷ってしまう恐れがあります。勤務開始・終了時刻を記録することが重要なので、遅刻や早退の場合も勤務者に出退勤時に通常通り打刻してもらうと良いでしょう。

管理者は月次締めのタイミングで遅刻・早退によって勤務が不足している時間数を集計し、必要に応じて給与計算にどう反映するかを考慮しましょう。

早出、残業(シフト外の勤務)

早出で所定時刻よりも早くに勤務を開始する場合や残業で所定時刻よりも遅くに勤務を終了する場合も、通常勤務と同様に出退勤時に打刻をします。

しかし、仮に勤務を開始しているのに始業時刻まで出勤打刻をしない、勤務が終了してからもしばらく退勤打刻をしない、など実際の勤務とは異なるタイミングで勤務者が打刻をしてしまうと、勤務時間数を正しく集計できずサービス残業が発生してしまう恐れがあります。管理者は実態としてそうなっていないかを注意しましょう。

徹夜、日跨ぎ

出勤と退勤の間に0時を挟むような勤務の時、そのままタイムカードを使用すると出勤と退勤が別の日に記録されてしまう恐れがあります。出退勤時刻から勤務時間数を算出するときに、出退勤時刻が同じ日に記録されていないことが発生しうることに注意しましょう。

なお、こうした日またぎの勤務に対応したタイムレコーダーもあります。「日付変更時刻」を設定できれば「27時(勤務翌日の午前3時)までは当日の勤務として打刻を記録する」などができます。

あるいは「徹夜モード」機能を搭載している場合、退勤打刻を出勤打刻と同じ日の打刻として取り扱うことができます。

打刻に関するトラブル

誤打刻、打刻漏れ、打刻できない

打刻に漏れや誤りがあると、始業・終業時刻などの確認・記録や時間数の集計に支障をきたします

●打刻を正しく記録できない具体的なケース

  • 本来とは異なるタイミングで誤って打刻をしてしまった
  • 停電など諸事情で打刻できなかった
  • タイムレコーダーが壊れていて使用できなかった

本来打刻されるべきタイミングで打刻がされなかった場合、出退勤時刻とともに正確に打刻できなかった理由を従業員から管理者に伝えてもらい、本来の出退勤時刻をタイムカードに手書きするなどして記録を残しましょう。

なお誤打刻や打刻漏れなど勤務者の打刻ミスに関しては、そうしたミスが発生しないように対策を取ることも重要です。

(打刻漏れの防止についてはタイムカード押し忘れ・打刻忘れゼロへ!実用・前向きアイデア集をご覧ください。)

タイムカードの紛失

タイムカードを紛失した場合、タイムカード以外で労働時間を証明しなければならないケースがあります。そうした際にはタイムカードの代わりに勤務実績が把握できるものがないか確認しましょう。

仮に会社側がタイムカードを紛失した場合、労働基準法第108条にある「労働時間の把握義務」に反しているとして30万円以下の罰金が科される場合があるため、タイムカードの紛失にはくれぐれも注意しましょう。

不正打刻、打刻の改ざん

不正打刻やタイムカードの改ざんは詐欺罪や電磁的記録不正作出罪などに問われる恐れのある行為です。おかしいな、と感じることがあった場合は事実をよく確認しましょう。

タイムカードはこんな方におすすめ

ここまでタイムカードの概要からタイムカードの勤怠管理の始め方について触れてきました。タイムカードは「手軽に勤怠管理を始めたい方」や「勤務のルールがシンプルで集計の手間が少ない方」におすすめです。

タイムカードやタイムレコーダーと一口に言っても、求める機能や価格などに応じて選択肢がいくつかあります。そのため、目的や実態に合わせたタイムレコーダーを選ぶことが重要です。(詳しくは【タイムレコーダーの選び方】勤怠管理システムも含めて徹底比較【2022年版】をご覧ください。)

タイムカードでの勤怠管理に課題を感じたら

タイムカードは手軽さや利用方法のシンプルさが魅力的です。しかし、記録された時刻から時間数を集計する場合など、タイムカードの記録を活用する場合にはどうしても手作業が発生してしまいます。管理する人数が増えれば増えるほどその手間は大きくなります。

集計など各種作業を自動化したい場合は勤怠管理システムや勤怠管理アプリの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

勤怠管理アプリの1つであるタブレット タイムレコーダーはiPadをタイムレコーダーとして使用することができるアプリです。単に出勤・退勤の時刻を記録するだけでなく、会社ごとのルールに合わせて各種日数、時間数を自動集計できます。買い切りなので、月額利用料はかかりません。

また、紙のタイムカードやインクリボンを消費しないため、タイムレコーダーを使用する際に必要な消耗品の調達も不要です。3人までであれば無料で利用できるので、気になった方は是非お気軽にお試しください。タブレット タイムレコーダーをダウンロードするにはiPadからこちらのページにアクセスしてください。

紙との勤怠管理の違いについては紙のタイムカードより25個もメリットが!タブレット タイムレコーダーと比較をご覧ください。

終わりに

タイムカードの基本情報、実際にタイムカードを使った勤怠管理の始め方までを解説しててきました。 特に、タイムカードでの勤怠管理を検討中の方には、タイムカード・勤怠管理アプリの双方の特徴を知った上で、皆さんの働き方にあった方法を選択していただけると良いと思います。この記事がそれらの参考になれば幸いです。

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